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後藤 康成氏

キーワード  後藤 康成氏 1.フィード(RSS) 2. SaaS(Software as a Service) 3. CGM(Consumer Generated Media)

2006年を振り返る:mixiのIPO

 今年一番のIT業界のビッグニュースと言えば、文句なしに9月14日に東証マザーズに上場したmixi社であろう。公募価格の約1.9倍に当たる295万円で初値を付け、なんと上場時点で時価総額1000億円を超える大型IPOであった。また、その成長性も止まることを知らない。11月10日発表された中間決算では売上高が19億4,700万円、営業利益が8億7,900万円、この上半期だけで2005年度通期の売上高を超えたのである。
 mixiは2004年2月に招待制SNS(Social Networking Service)としてサービスを開始した。2006年11月時点での会員数が600万人を超えているメガサイトである。mixiは月間70億ページビューのユーザートラフィックを持つ所謂メディアサイトであるがその大きな特徴は、サービス運営者ではなくmixiの利用者がコンテンツを創造するCGM(Consumer Generated Media)であることだ。
 2007年はmixiの後を追って1億2,500万以上のユーザーを抱える米国myspaceが日本のSNS市場に参入する。mixiとは毛色の違うSNSサービスではあるが、黒船myspaceが日本市場でどのような市場戦略を見せるかが楽しみである。

関連リンク
mixi
myspace

2007年ITビジネスのキーワード

1.フィード(RSS)
RSS 定期リサーチ  ブログはもとより、IT系ニュースサイトやオークションサイト、求人サイトまで「XML」あるいは「RSS」といったフィードアイコンが見られるようになった。商用のインターネットサービスがフィードを配信するようになった2006年はフィードが浸透した1年ではなかったろうか。 
 RSSリーダーが普及し、2006年9月29日に発表されたインターネットコム株式会社と goo リサーチの調査によると2006年「RSS リーダー」に対する認知度は33.30%。そのうち、「利用経験がある」人は16.35%、「現在利用中」は12.68%となった。
 このようなRSSリーダーの普及によりインターネットユーザーのWebサイト閲覧行動が変化してきている。これまでネットサーフィンと呼ばれるWebサイトからWebサイトへリンクをたどって読み連ねていく購読行動はフィードリーダーの普及により、サイトを訪れることなくフィードリーダーを経由してコンテンツあるいは記事を購読する。我々はこの閲覧形態をデータホッピング型と呼んでいる。 この流れに乗りRSS広告市場が立ち上がりを見せている。日本においてもビジネス化が進んでおり、RSS広告社、GMOアフィリエイト、トランス・コスモスなどがRSS広告事業を展開しており2007年のさらなる成長が期待される。
関連リンク
RSS 定期リサーチ
RSS広告社
GMOアドネットワークス
トランス・コスモス
2.SaaS(Software as a Service)
セールスフォース・ドットコム   ASP(Application Service Provider)という響きは、既に死語になりつつあるのであろうか。ADSLやFTTH環境が整備されブロードバンドの普及し、フラットレート課金が浸透してインターネットが電気・ガス・水道・電話と同じように生活のインフラなってきている。
 このような中、SaaS(Software as a Service)が注目されてきている。SaaSは企業に対してソフトウェアコンポーネントをインターネットサービスとして提供する。ASPサービスでは、ユーザーごとに個別のサーバー環境であるシングルテナント型で提供されていたが。SaaSでは、1つのサーバーを複数ユーザーで共有するマルチテナント型での提供形態が主流である。これは、ブロードバンドの普及とサーバー性能の向上がもたらしたスケールメリットであると言えるだろう。
 SaaSのもう1つ特徴は、インターネットサービスとして提供されることから、他ベンダーのWebサービスと連携するマッシュアップ機能が提供できることであろう。ファイアー・ウォールの中では実現が難しい機能もSaaSでは実現可能である。
 SaaSサービスの動向としてセールスフォース・ドットコムのCRMソフト「Salesforce」、SAPジャパンの、「SAP CRM On-Demand」など米国主導でSaaSサービスが立ち上がってきている。日本においてはサイボウズでは主力のグループウェア製品にSaaS型のSFA機能を付加することを表明している。さらには、フィードパスはアメリカのメールコラボレーションソフトウェアのZimbraを2007年SaaS提供を計画している。2006年はSaaSというキーワードは浸透してきているものの、実際にSaaSサービス市場の成長は2007年からと言えよう。
関連リンク
セールスフォース・ドットコム
SAP JAPAN
サイボウズ
フィードパス
Zimbra
3.CGM(Consumer Generated Media)
Wikipedia  CGMについては改めてここで説明するまでもないが、ユーザーからの情報発信によるコンテンツが膨大なユーザートラフィックを集めることによりメディア化したサービスである。まさにインターネットでしか実現できない独特のメディア形態といえるだろう。ここで言うメディア化とは、Wikipediaのような例外もあるが、広告掲載やコンテンツそのものが価値を持つことにより収益化されるサービスのことである。CGMと区別するため、ブログなどの単なるユーザー投稿コンテンツはCGC(コンシューマー・ジェネレーテッド・コンテンツ)と呼ばれることもある。
 実際のCGMサービスを実現するのは簡単ではない。良質のユーザーに価値のあるコンテンツを創造してもらう必要があり、さらにそのコンテンツに継続的にアクセスする膨大なユーザートラフィックを生むマーケティング戦略が必要とされる。よってメディア化するまでは収益の目処が立たないことから、インターネットサービスの中においても体力、財務力、アイディア勝負のサービスであろう。
 SNSのmixiやGREE、価格.comや比較.comなどの比較サービス、@cosmeなどのクチコミサービスなど既にメディア化しているサービスのほかに、2006年はCGMを目指したインターネットサービスが多く立ち上がっている、ソーシャル・ブックマーキング・サービスのPingKing、Saafやソーシャル・ニュース・サービスのkizasi.jp、タグポータルのTAGGYさらには写真共有サービスのフォト蔵など2007年に向けて成長していくCGMサービスが楽しみである。
関連リンク
Wikipedia   PingKing
mixi Saaf
GREE kizasi.jp
価格.com TAGGY
比較.com フォト蔵
@cosme    

プロフィール

後藤 康成
(株)ネットエイジ 技術開発担当取締役
大手電機メーカー系エンジニアリング会社、中堅エンジニアリング会社を経て、1997年からシリコンバレー・ベンチャーにて北米および、欧州担当システム開発マネージャーとして欧米キャリアにシステム提供後、2000年ネットエイジに入社。現在(株)ネットエイジ技術担当取締役。2005年フィードパス株式会社の設立に参画。取締役兼CTOに就任、現在に至る。著書に『ビジネスブログブック2,3』、 『Web2.0のビジネスルール』(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)などがある。ブログは、http://www.blogot.com
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